名目と実質 2013 3 31

 このサイトでは、経済を見る時は、
「名目」と「実質」という複眼で見るべきだと書いてきましたが、
現実には、99.9%の人が、「名目」で経済を見ていますので、
それを忘れて議論すると、学者の議論になってしまいます。
つまり、現実から離れた議論になるということです。
 たとえば、こう考えてください。
不景気で、給料が5%もカットされてしまった。
 しかし、物価は、それ以上に下落しているので、
「実質の給料」は増えていると、妻に言ってみてください。
そんな屁理屈は、通用しません。
 問答無用で、小遣いが5%カットされるでしょう。
そうなると、あなたは、「飲みに行く回数を減らすか」と思うでしょう。
妻も、「来月からは、節約に励む」となるでしょう。
こうして、世の中、不景気になっていきます。
 本当は、「名目の給料」は減っても、
「実質の給料」は、減っていないどころか、
もしかすると、増えている可能性がありますが、
99.9%の人が、「名目」で経済を考えていますので、
「給料が減った。さあ大変だ。不要不急の商品は買わないぞ」となってしまいます。
これが意味することは、「不景気」です。
 そういうわけで、政策立案者は、
「99.9%の人が、名目で経済を考えている」という事実を忘れないでください。
「学者のための経済学」ではなく、「国民のための経済学」を実践してください。





































































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